2017年05月25日

システム運用設計について(2-4) 運用管理アーキテクチャ 変更管理、ライブラリ管理、リリース管理

前回記事(システム運用設計について(2-3) システム運用アーキテクチャ 問題管理、構成管理)に引き続き、システム運用設計アーキテクチャのうち、変更管理、リリース管理、ライブラリ管理について記述していくことにする。

it_operational_architecture.png

お馴染みの上図で言うところの「5.変更管理」「7.ライブラリ管理」「8.リリース管理」に当たる部分である。

この3つの運用管理業務であるが、上図では赤い点線で囲っている。
なぜかというと、これらは密接に絡んでいるというか、リリース管理とライブラリ管理は変更管理の一部であるとも言えるからだ。

では順を追って説明して行こう。

変更管理とは

変更管理とは、運用しているシステムに対する全ての変更要求について、その妥当性を検証した上で変更実施を管理するとともに、変更内容を構成管理へ反映する、というのが一連の業務である。

システムに対する変更要求とは、主に
  • 障害管理から問題管理へエスカレーションされた事象で、問題の恒久的解決のためにシステムの変更を要求するもの
  • セキュリティインシデント発生を恒久的に予防するために、システムに対して変更を要求するもの
  • ビジネス上の要件により、システムに対して変更を要求するもの
これら3つを起因とするものがある。

これらを起因としたシステムへの変更要求を受け付けたあと、その変更要求が妥当なのかどうかを費用やスケジュール、システムへの影響やビジネスへの影響などを含めて検証する。
一般的には変更管理委員会のような組織体や会議体を編成して、関係者間において協議をすることが多い。

そしてシステムに対する変更が問題無いと判断されれば、変更を実施する。

変更の実施はシステムのインフラであったり、アプリケーションプログラムであったり、これらの変更に伴う設計書などのドキュメントも含まれる。
変更の実施作業そのものについては、次項の「リリース管理」において行うことが一般的である。

変更が実施されたらその内容を構成管理へ送り、最新情報を提供して変更管理業務は完了である。

リリース管理とは

リリース管理とは、変更管理においてシステムに対する変更が承認された場合において、実際の変更作業を管理する業務である。

システムの変更作業実施において、その準備が周到に行われているかどうかの確認をするために、リリース判定会議といった会議体を編成し、妥当性を協議することが一般的である。

このリリース判定会議において、
  • システム変更の理由
  • システムに対する影響
  • ビジネスに対する影響
  • ユーザーへの告知
  • 変更実施作業の詳細内容やスケジュール
  • リリース資材に不足がないか
  • 変更作業失敗時のリカバリー作業内容の妥当性
といった項目を確認し、安全かつ正確なシステムに対する変更をはかる。

なおシステムインフラの変更やアプリケーションプログラムの変更が伴う場合は、リリース判定会議までにシステムテストまで行っておくことが必要である。

またこれらの変更によりアプリケーションプログラムや仕様書等の修正が必要な場合は、次項で解説するライブラリ管理により最新版の資材払い出しを受ける。

そしてシステム変更のためのリリース準備が整ったところで、リリース作業を行う。

ライブラリ管理とは

ライブラリ管理とは、システムに関するドキュメントやアプリケーションプログラムのソース等について、最新版のファイル群と変更履歴(過去版のファイル群)を管理する業務である。

一般的には版管理が行えるツールを用いて、過去から現在の最新版に至る全てのバージョンのファイルを保持しておく。

過去分のファイルを保持する理由としては、例えばシステム変更によりリリースした最新版のアプリケーションプログラムに、万が一バグがあり元に戻さなければならない場合に、過去バージョンのソースを取得して再配置出来るようにするためである。

また、過去の変更箇所を誰がいつ行ったのかの履歴を保持しておくことにより、システム監査が入った際にすぐさま情報提供できるようにしておく、という目的もある。

そしてシステムに対する変更要求があった際に、最新版のソースやドキュメントを間違いなく払い出すことにより、デグレードを防ぐという目的も当然ある。

何よりシステムのドキュメントやソースは重要な資産であるため、ライブラリ管理しているデータを適切にバックアップする必要があることは言うまでもない。


システム運用設計関連の記事一覧はこちらからどうぞ。
posted by Yamato Sakai at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
※当ブログでは、ご質問、ご相談など、どんなお問い合わせでも受け付けています。 こちらの問い合わせフォームより、お問い合わせ下さい。 お問い合わせに関しては、当ブログ管理者だけが全て読んでおり、情報漏洩等無いよう厳重に管理しております。 -